今新しく放送されているキノの旅、とても好きだ。
原作も前作のアニメ版もタイトル以外は知らなかったのだけれども、そういえば、というような気持ちで視聴し始めたら、これがとても良かった。
淡々としていて、過度にドラマチックな展開がなくて、主人公がヒーローでもアンチヒーローでもなく、ひとりの旅人として描かれ、物語が綴られているのに惹かれる。
もちろん熱量が高くて具体的なメッセージ性を伴ったお話も好きなのだけれど、これはそれとは違ったベクトルでうったえるものを感じる。
勧善懲悪的な活劇も、ピカレスク的な暗澹としたお話も好きなのだけれど、これはそのどちらでもないような気がして、無知蒙昧な私には新鮮*1だった。
外皮だけは知っていたのに、結局その実どうなっているのか知らないものってたくさんあるのだなと思う。
今まで気になってはいても結局触れていないものが数えきれないほどあって、怠けていたらフィクションでさえ人生が何回あっても知り得ないことだらけなのかもしれない、なんてことがふとよぎった。
*1:そういった風刺の効いた作品を他に全く知らないというわけではないが